昔話を語ってみたいと想う・・。
あれは・・ある田舎町で起きた不思議なできごとだった・・。
1990年代で平成も馴染んできたころだっただろうか・・。
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当時、私は高校生。
AT車とかが田舎町にも現れる時代。
MA車しか知らない大人達はこぞってこう言ったものだ。
「アクセル踏むど、勝手にギアが変わんだどぉ~!?」
「大丈夫なんだべがぁ~!?」
「そんだ車おっがなくて、やんだぁなぁ~!?」
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私の父親もそんな大人の一人だった。
力仕事をしていたので、トラックやダンプを乗り回していたぐらいだが、AT車への恐怖心は感じていたようだ。
そんな父は何より筋肉が自慢の男だった・・。
私に腕の力こぶを見せては、
「ランボーみだいだべ・・!?」
と自己満足な笑顔が素敵な漢だった。
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田舎町なので、近所付き合いは恐ろしいぐらいに密接だ。
声をかければ米や車だって簡単に借りることができる。
そんな近所にAT車がやってきた・・・。
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※AT車はブレーキを踏みながらギアを変えないとPからDに変えられません。
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私が通っていた高校は家から遠く離れていた。
勉強の成績が悪かったので入学できる高校が家から遠くにある高校しかなかった・・・。
雨だったのか雪だったのか、筋肉マンに迎えをお願いした。
どれぐらい待っただろうか・・・。
JAの前で時が過ぎるのを楽しんでいた・・・。
そこにキン肉マンが現れた!?
なんと!!近所の軽のAT車でのお迎えだ!!
ピッカピッカの新車で小さなカワイイ車にゴツイ筋肉マンが狭い運転席に座っていた。
さっそく新車の助手席に乗り込む。
私「車どうしたのぉ!?」
父「まぁ、借りできたんだ!?」
それ以上は聞く必要がなく、筋肉マンも暇ではないので・・。
父「ほれ、いぐべ!?」
筋肉マンがギアをPからDに入れようと左腕に力を入れる。
が、ギアはピクリとも動かない・・・!?
父「なんだぁ!?」
私「なにしたのぉ!?」
父「ギアがぁ、、、、うごがぁねぇ!????」
私「・・・」
※この時に私にAT車の知識があったらと今も悔やんでいる。
父「おがしぃなぁ~~?くるどぎどうしたっけなぁ~・・・??」
それでも筋肉マンは左腕に力を込めるが、鉄筋のギアは筋肉マンの力ではビクともせず、PからDに変わらない・・・。
5分ぐらい経過しただろうか・・・筋肉マンが閃いた!!
左腕でギアを固定し、利き腕の右腕でギア目掛けて空手チョップをくりだした!!!
父「はぁぁあああああーーーーーーーー!!」
筋肉マンの会心の一撃が炸裂!!!
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全てのエネルギーは筋肉マンの右手に降り注いだ・・・。
筋肉マン右手の痛みに悶絶(涙)
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しかし偉大な父は痛みなどには負けはしない!
第2派の会心の一撃の空手チョップを炸裂!!
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全てのエネルギーは再度、筋肉マンの右手に降り注いだ・・・。
筋肉マン右手の痛みに悶絶(涙x2)
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おっと、もうこんな時間だ・・。
私としたことが少々おしゃべりが過ぎたようだ・・。
別の話はまたお会いできる時にでも・・。
今日も貴方にとって素敵な夜でありますように・・。
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