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2021/06/11

ロックオン3弾 友のバナナ

 

昔話を語ってみたいと想う・・。


あれは・・ある田舎町で起きた不思議なできごとだった・・。


1980年代の昭和でバブルが起きる少し前だったかもしれない・・。


・・・


・・



当時、私は保育園生。


若くて美人でボインな先生は人気があり、同学年の猿は平気でボインにイタズラしては怒られていた。


そんな猿を横目に、正直羨ましく、手を出せない自分を悔やんでいた。


「ばがなぁふりしてぇ~、ボイン触ればいいべぇ!?」


そう悪魔が騙りかけてくる呪縛に苦しんでいた。


・・・


・・



運動会では「宇宙戦艦ヤマト」の曲に合わせて縄跳びを振り回し飛びまくった。


劇の発表会では「ちびくろサンボ」で虎の役だったような気がする。


どうせならバター虎ではなくバター犬になりたかった・・・。


お泊り保育では、いつもしない「おねしょ」をしては、友からえんがっちょされ、ボインに迷惑をかけた。


保育園での日々は楽しいことが多かった。


・・・


・・



日々のお昼の食事の時間も楽しみの一つだった。


給食は、おかずは提供されるが、主食のご飯やパンは自分たちで持っていくのがルールだった。


おかずは給食のおばさんが私達のことを想い栄養バランスを始め素敵だった。


贅沢にデザートもついていた。


バナナやリンゴにミカンやゼリーなど日替わりだったような気がする。


バナナやミカンなどの皮は、ご飯を食べ終わった弁当に入れて、自宅に持ち帰るのが習慣だった。


3時のおやつも楽しみだった。


よくベビーチーズをひとついただけるのが不思議だったが、いつも食べないハイカラなチーズは美味しかった。


ただ、昼寝の時間があり、寝坊するとそのまま放置され晒し者にされるのが恐怖だった・・・。


・・・


・・



同級生で若く美人でセクシーなお母さんを持つ友がいた。


当時珍しいシングルマザーだったような記憶があるが、セクシーな母を持つ男の友はイケメンだった。


欧米風でアイドルのようなイケメンで、今でいえばジャニーズのようだった。


ジャニーズはお昼によくパンを食べていたが、たまにご飯を持ってくることもあった。


・・・


・・



雪国の冬は寒くしばれる。


保育園も当然のようにそんなことは計算済みで、寒い冬はご飯を温める機器があった。


電子レンジではなく、保温器のようなものだった。


朝、保育園に行くと、ご飯を持ってきた園児は保温器に弁当を入れる。


そんな経緯もあり、ご飯を入れる弁当は、アルミ製の中が見えない当時人気の戦隊もののヒーローがプリントされているものが多かった。


さらに蓋が空かないようにゴムのベルトのようなものを付けているのが定番だった。


寒い冬はジャニーズも珍しくご飯で保温器に弁当を入れていた。


・・・


・・



朝からたくさん遊び、楽しみのお昼時間になった。


たくさん遊んだので、お腹もペコペコだ。


朝から温めているお弁当はほかほかというよりは熱いぐらいになっている。


おかずの準備も整い、熱々の弁当を保温器から取り出す。


たまたま、隣がジャニーズだった。


ジャニーズもお腹ペコペコで、ご飯を楽しみにしているようだ。


ボインの号令で


「いだだぎます!!」


そう号砲がなると一斉に弁当のベルトをはずし蓋をあける。


ご飯はしっかりと温まっている。


その瞬間、ジャニーズが叫ぶ!!


・・・


・・



「なしてぇぇぇええええなぁぁ~~!?」


声にならないような雄たけびをあげ涙している。


当然、私は何事かとジャニーズを凝視する。


その瞬間、目に飛び込んできたのはバナナの皮だけが入った空の弁当箱だった。


先日食べ終わった弁当をそのまま持ってきて保温器でしっかりと温めたようだ。


当然、しっかりと温められたバナナの皮は真っ黒に変色していた。


そんな時でもジャニーズの泣き顏はイケメンだった。


・・・


・・



おっと、もうこんな時間だ・・。


私としたことが少々おしゃべりが過ぎたようだ・・。


別の話はまたお会いできる時にでも・・。


今日も貴方にとって素敵な夜でありますように・・。


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